戸籍上の続柄の数え方

戦前の家を基準とした戸籍制度と、戦後の戸籍制度では続柄の数え方が異なります。

(1)戦前の旧制度での続柄の数え方

戦前の家を基準とした戸籍制度の時代では、戸主を基準に長男…二男…三男と順番に続柄がふられていました。

続柄の数え方

戸主である見本太郎が前妻とのあいだに男女二人の子供をもうけ、その後、後妻とのあいだでも男女二人の子供をもうけた場合です。
この場合、後妻とのあいだの子供には戸籍記載上はそれぞれ二男二女と続柄がふられます。

(2)戦後の戸籍制度での続柄の数え方

戦後の戸籍制度では、婚姻関係にある(もしくはあった)夫婦を基準にその子供の続柄がふられていきました

続柄の数え方

見本太郎を基準に、前妻とのあいだに男女二人の子供が生まれ、その後、後妻との間でもさらに男女二人の子供生まれた場合です。

前妻とのあいだに子供が男女一人ずついればそれぞれ長男と長女となります。さらに後妻とのあいだに子供が男女一人ずついてもそれぞれ長男と長女となります。

見本太郎からみると長男と長女が二人ずついることになります。考え方としては「見本太郎と前妻とのあいだの長男」、「見本太郎と後妻とのあいだの長男」というようにみていただくとおわかりいただけると思います。

ちなみに、子連れで再婚した場合は?
続柄の数え方

見本太郎とヨシコが、それぞれ子連れで再婚したとします。見本太郎には長男:五郎が、ヨシコには長男:健太郎がいます。

この場合、再婚によって戸籍上の続柄に変更はなく、五郎も健太郎もどちらも長男のまま続柄に変更はありません。見本太郎が五郎を引き連れて再婚したとしても、戸籍記載上は五郎はあくまでも見本太郎とウタの長男のままです。同様にヨシコが健太郎を引き連れて再婚したとしても、戸籍記載上は健太郎はあくまでも厚木一郎とヨシコの長男のままです。これは別れた理由が死別や離婚など、どのような理由であってもかわりません。

親の再婚によって子供の戸籍上の続柄に変更はありませんが、日常生活を送る上で、また新たなる親子関係を築いていく上で、年上の子供を長男、年下の子供を二男と対外的に説明したりすることはよくあることだと思います。

(3)戦前戦後をまたがる場合

戦前や戦中にお生まれになり、上記(1)の例で戦後の戸籍改製をまたぎますと原則として続柄が変更されることになりますので注意が必要です。
ただし、兄弟姉妹全員の続柄が変更されていれば分かり易いのですが、一部の兄弟姉妹しか続柄が変更されていなかったり、そもそも兄弟姉妹全員の続柄が変更されていない場合などもあります。
さらに戦前の戸籍では、幼少期に亡くなった方がいるとそのかたの続柄が繰り上がることもございます。これもやはり必ず繰り上がるのかというとそうではなく、繰り上がらない場合もあったり、一部の兄弟姉妹しか続柄が繰り上がっていないことなどもあります。

このように戦後の戸籍改製をまたぎ続柄が変更になっていますと、自分で思っていた続柄や伝え聞いていた続柄が戸籍記載とは異なっているということもあると思われます。

(4)現行制度での続柄の数え方

2004年より、嫡出でない子の出生の届出がされた場合において、母が分娩した嫡出でない子の出生の順に「長男(長女)」「二男(二女)」等と戸籍に記載されます。

家系図への書き方

ご依頼いただいた家系図へは原則として戸籍記載のままの続柄を書いております。もし、戦前戦後をまたいで続柄がかわっている場合には、より新しい戸籍の続柄記載を書いております。

続柄が途中で繰り上がってしまっているような場合ですと、ご依頼者様が思っていた続柄と異なることも出てきてしまいます。そのような時には、ご希望をうかがいながら違和感のない記載をすることもございます。

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