短期間の養子縁組の謎

家系図を作成するためにたくさんの戸籍を見ていますと、実にいろいろなことが見えてきます。

ごくまれに、短い期間だけ養子縁組をしていたり結婚直前のほんの数日だけ養子縁組をしているかたを見かけることがあります。

短期間の養子縁組理由についてお客様からもたまにご質問をいただくのですが、私がこれまでに実際に聞いたことのある理由は二つあります。

 

短期間養子縁組の理由その1 方角

とあるお客様のご先祖様が、これから嫁入りするにあたりいったん親戚夫婦のところに養女に行かれて、その数日後に嫁ぎ先へと入籍されていました。
この理由を訪ねましたところ、実家から嫁ぎ先の存在する方角が悪いので、一度親戚夫婦のもとで数日過ごしその後に嫁ぎ先へと行かれたとのお話しがご先祖様より伝わっているとのことです。
嫁入りされる方の動勢がそのまま戸籍に反映されていたケースでございました。
日本では平安時代以降におこなわれるようになった方違え(かたたがえ)という風習もございました。

 

短期間養子縁組の理由その2 身分的なもの

明治時代になり士農工商の身分というものがなくなり、士農工商間での婚姻も問題なくおこなわれるようになりました。しかしそれでも江戸時代の名残りと言うものが少なからずあり、士族・平民といった族称はまだのこっておりました。
そこで嫁ぎ先との旧身分が異なる場合、嫁ぎ先の旧身分と同じ第三者の家に形式上だけいったん養子に入った直後に結婚するということもおこなわれていました。

 

 

時代や地域により短期間の養子縁組理由はこの他にもたくさんあると思います。
私が実際に見聞きした二つの事例をご紹介いたしました。