家系図の書き方
家系図の書き方には、「こうしなければいけない」という決まりは特にありませんので、ご自身が見やすいようにレイアウトして自由に書いていただいて構いません。
しかしそれではどう書いて良いのか迷ってしまうかたも多くいらっしゃると思いますので、ここでは一般的に用いられる書き方の家系図3種類と、家系図上での罫線の引き方や人物の配置方法をいくつかご紹介いたします。
1、家系図の種類
(1)横系図
縦に一代を配置します。古くから一般的に用いられてきた書き方で、「家」を単位として一つの系統(名字)の家系図を書くときに適した書き方であると思います。
家系図は横長になり、用紙を継ぎ足すことによって後から家系図に新しい世代を書き足していくことが容易であり家系図に書き込める情報も豊富です。巻物家系図に仕立てるのに適した配置方法であると思います。
「家」制度が残っていた時代には、実子を罫線で結ぶのではなく当主ごとに罫線で結んでいる家系図が多いです。当主を罫線で結び、兄弟姉妹や配偶者を当主の左側に配置しますので、当主が誰であるのかが分かりやすいです。
二つ以上の系統(名字)を家系図に配置しようとすると全体図としては見にくくなりますので、一つの系統(名字)ごとに家系図を作成するのがよろしいかと思います。
(2)縦系図その1
横に同一世代を配置し、次世代を下側に配置していきます。家系図は縦長になりますが、用紙を継ぎ足すことによって後から家系図に新しい世代を書き足していくことも可能であり、家系図に書き込める情報も豊富です。この見本ではお名前と続柄だけですが、出生死亡日などを記載してもよろしいかと思います。
二つ以上の系統(名字)を家系図に配置しようとすると、全体図としては見づらくなりますので、一つの系統(名字)ごとに家系図を作成するのがよろしいかと思います。
兄弟姉妹やいとこ・はとこなど、親族同士の位置関係が分かりやすいと思います。家系図を掛軸に仕立てるのに適している配置方法です。
(3)縦系図その2
【縦系図その1】を少々アレンジした配置です、横に同一世代を配置し次世代を下側に配置していきます。家系図は縦長にも横長にも自由に配置することができますので、巻物家系図にも掛軸にも仕立てることができると思いますが、後から家系図に新しい世代を書き足していくことは難しいと思います。
今現在知り得ている情報をまとめるのに最も適していると思いますので、戸籍から判明したご先祖様の情報をまとめる家系図として最適であると思います。記載スペースがあれば元号のみならず西暦を併記してもよろしいかと思います。兄弟姉妹やいとこ・はとこなど、親族同士の位置関係が分かりやすいと思います。
二つ以上の系統(名字)を家系図に配置することも可能ですが、場合によっては罫線が複雑になってしまうので、その場合には家系図にのせる方々や情報を考慮する必要があると思います。
2、罫線や人物の書き方
(1)婚姻線
一般的には二重線で結びます。結婚をしていなかったり既に離婚をした場合には一本線で結んで婚姻関係と区別する場合もあれば、特に区別せずに二重線を用いることもございます。
男女は左右どちらでもかまいませんが、一般的には右側に男系、左側に女系が配置されるようです。見やすく仕上げるポイントとしては、できるだけ左右の配置を統一することです。
(2)前妻後妻・前夫後夫
前妻・後妻様を左右それぞれに配置したり、右左どちらか一方にだけ配置したりします。家系図全体のバランスを見て、見やすい方に配置していただければかまいません。
(3)兄弟姉妹
一般的には出生順に年長者を右側から書いていきます。
(4)養子縁組その1
実線ではなく点線で結ぶ場合が最近は多いようです。家制度の時代では、実子・養子の区別はそれほど重要ではなかったので、実子も養子も区別することなく実線で結ばれたものがほとんどです。養子上田七郎に対して、養父母のみを罫線で結び、上田七郎の情報として実父母をこのように記載しておくのも一つの方法であると思います。
(5)養子縁組その2
上田七郎に対して、実父母と養父母双方をこのように家系図に書いてもよろしいかと思います。
(6)兄弟姉妹と婚姻線
見本一郎に対し、その兄弟姉妹や配偶者・配偶者の両親までも家系図に記載する場合にはこのようにすると見やすいと思います。
3、家系図の書き方補足
(1)家系図に記載する情報について
一般的にはお名前・続柄・出生死亡日です。この他に、お亡くなりになった年齢や出生地・死亡地なども記載することがございます。「死亡」もしくは「没」、「出生」もしくは「生」いずれを用いても構いません。家紋をご存じでしたら家系図に家紋のイラストをいれるのもよろしいかと思います。
(2)旧姓
夫婦を家系図に記載する場合、両名共に名字を記載することもあれば、結婚に際して名字を名乗った方にだけ記載、旧姓をカッコ書きで付記したりと様々です。
婚姻関係に無い女性のかたや既に離婚をなさった場合の名字の書き方なども、ご自身が見やすい分かりやすいと思う方法で書いていただいて構いません。
(3) 別紙を作る
一枚の家系図に、戸籍から判明した情報の他にあれこれ全てを記載することは不可能であったり、かえって見づらい家系図になったりしてしまいます。そこで、家系図には書ききれない情報をご先祖様のエピソードなどと一緒に別紙にまとめるのも一つの方法であると思います。ご先祖様の由緒書などだけをまとめたものは、家系図と区別して家系譜や系譜などと呼ばれています。
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