家系図作成に役立つ加賀藩士の調べ方
先祖が加賀藩士であったと伝え聞いてはいるものの、その史料をお持ちでないというかたも多いと思います。加賀藩士について、家系図作りに役立つ分限帳や侍帳といった家臣団の名簿などが掲載されている資料をご紹介いたします。
加賀藩とは
加賀藩は江戸時代に加賀、能登、越中の3国の大半を領有した藩。藩庁は金沢城(石川県金沢市)に置かれました。
藩主:前田家
「石川県史 第貳編」


著者:石川県 編 出版年:1928 国会図書館等所蔵
「侍帳」が掲載されています。
国会図書館デジタルコレクションで公開されています。
「加賀藩組分侍帳」



著者:金沢文化協会 編 出版年:1937 国会図書館等所蔵
国会図書館デジタルコレクションで公開されています。
「加賀藩士人別帳 上・下」
著者:古川脩 編著 出版年:1997.7 国会図書館等所蔵
陪臣の方々まで乗っている書籍には「加賀藩士人別帳 上・下」というものがあります。陪臣とは藩主直々の家臣ではなく、「藩主の家臣」の家臣をさします。
加賀藩士人別帳の上巻は名前ごとの掲載になっており、加賀藩士人別帳の下巻は檀那寺ごとの掲載になっており、当主の通称又は諱、父の通称又は諱、秩禄、檀那寺などの項目もあります。加賀藩士人別帳においてはすべての加賀藩士が記載されている訳ではありませんが、たくさんの方のお名前が掲載されています。
「先祖由緒并一類附帳」
「先祖由緒并一類附帳(せんぞゆいしょならびにいちるいふちょう)」の目録が「加越能文庫解説目録 上巻」に掲載されており、石川県金沢市立玉川図書館近世史料館ホームページで公開されています。「先祖由緒并一類附帳」は正保4(1637)年から明治初期まで何回も藩に提出されておりますが、目録に記載されているものの多くは明治3年に藩庁に提出されたものの目録です。目録には当主の氏名・通称・諱、父の通称又は諱、年齢や檀家寺などが記載されています。明治3年当時の加賀藩(金沢藩)の藩士の数は士族卒族合わせて17000戸余りらしいのですが掲載されているのは11700戸余りであり、おおよそ3分の2程度となります。ホームページで公開されているのは原本の一部分の目録のみですが、 金沢市立玉川図書館近世史料館で保管されている「先祖由緒并一類附帳」の原本には先祖以来の系譜と略歴、当主の4親等の親族までが掲載されています。
金沢市立玉川図書館近世史料館ホームページ
加越能文庫解説目録上巻へのリンク(PDF)
加賀藩士の調査における留意点
加賀藩士調査のご注意点として、戸籍の廃棄懸念があげられます。金沢市域では明治40年以前に除籍となった戸籍は残念ながら全て廃棄になっているそうです。そのため、戸籍からは江戸末期出生のご先祖様までさかのぼることが出来ず、侍帳に出てくるお名前と戸籍から判明したご先祖様がつながらないという懸念がございます。これから戸籍を集めてご先祖様をさかのぼって調べてみようとお思いのかたはご注意下さい。
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